2010年8月21日土曜日

競売とは

借金をする際に、その借金の担保として出した不動産が有ると仮定します。 または、マイホームを購入する際に銀行から不動産ローンを借り入れたと仮定します。

それら、借金/ローンなどの借入金の返済ができなくなった借入者(債務者といいます)が、担保として提供していた土地や建物などの不動産を、お金を貸した人(債権者といいます)が裁判所に申し立て換価(お金に換えること)すべく裁判所に許可を願いでます。 その結果、裁判所が売却を許可します。 このことを不動産の競売といいます。 そしてその不動産を競売物件といいます。

その不動産を最低売却価格以上の最高値で落札するシステムのことを「競売(けいばい または きょうばい)」というのです。

競売物件の価格は裁判所に委嘱された不動産鑑定士がその価格を決めます。
そして、これが最低売却価格になります。 この価格は競売という特殊性に鑑み市場価格よりもかなり低く設定されています。 競売での落札価格は、市場価格の6~8割といったところです。 最終的な落札価格は8割前後が多いようです。 

競売のデメリットは、上記のように販売価格が2割前後も低いという事につきます。 そして、任意売却に比べ所有権の移転までの時間がかかる分、莫大な遅延損害金がかかってきます。

なおかつ、競売が終わった後にも残った不動産ローンの債務の返済義務は継続しています。 自己破産でもしない限りこの債務に追いかけられる事になるのです。

競売にメリットがあるとすれば、物件によっては、落札までに2年3年4年とダラダラと売却できない状態が続く場合に、うまくすると、その間は、そこにそのままお住まいになっていても立ち退きを求められません。 また、落札者の考え方により競売終了後も、半年とか1年住み続ける事が出来る場合もあります。

競売終了後の引越し代の交渉!
占拠者を追い出すのに100万円以上の経費がかかるのです!
それを頭に置いて立ち退き料の交渉を気合と根性でやってみる価値は有るでしょう。

物件を競落し、買受人が代金納付完了から6ケ月以内に「不動産引き渡し命令」の申し立てを裁判所にすると、早ければ1~2週間で「不動産引き渡し命令」が発令されます。 この命令が確定すると、執行官室で強制執行の申し立てを行います。

東京地裁の場合、各執行官ごとに受け持ち地域が決まっていて、その担当執行官と執行日時を打ち合わせの上、落札した物件に臨むことになります。

但し、1回目で部屋を空にして、明け渡しが終了する(これを断行と言います)分けではありません。

通常、1回目は占有者に対して、「あなたは、引き渡し命令の対象になっているから、何月何日までに立ち退きなさい!」と勧告し、「公示書」と言う裁判所発行の命令書のような紙を室内に貼って終わりです。

そして、その2週間~1ヶ月後に、いよいよ明け渡しの断行になります。

この断行の時には、執行官の他に「立会人」と称する、立ち会いを職業としている人と、「鍵屋」と屈強な「引越し業者」が断行の3点セットとなって臨みます。

この、断行の3点セットには理由があります。
執行官は、忙しい時には、一日に5件以上の執行をこなしています。 ですから、必然的に時間的余裕がありません。 一現場にかけられる時間はぜいぜい2~3時間なのです。

ですから、通常執行官はこの3点セットとチームワークを組みながら執行をこなして行くのです。「鍵屋」も「引越屋」も通常とは比べものにならないくらいの素早さで行動します。

当然、得意技能を持った専門職の人たちですから、その料金も安くはありません。 断行の3点セットの人たちにかかる報酬額は、不動産の大小にもよりますが、大体50万円~120万円くらいは最低でかかるのではないかとおもいます。

とうぜんのことながら法的手続きを弁護士に依頼した場合は、別途に弁護士費用が必要になります。
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上記の文章は、貴方の物件を競売で落札した人の側から見た「強制執行」の概略です。 上記の手順と手間を落札された側に貴方を当てはめてみてください。

落札者は鍵の取り替え、荷物の搬出などに結構な費用を競落者側は負担しなければならない場合がほとんどです。

そこで『私はスンナリと出ていくので引っ越し費用として50万円位いただけませんか?』と駄目で元々で交渉をしてみるのも手です。

断行の3点セットに100万円以上の出費がかかってでも、落札物件に住んでいる人(不法占拠者)には一銭も払わないという競売専門業者さんも多数存在いたしておりますので、交渉は程々&低調にね。 また、競売専門の業者さんでは自社の追い出しチームを結成している場合もございます。 こんな場合には3万円とか5万円なってことも有るようです。

2 件のコメント:

  1. 昨年の秋に住宅ローンを使ってマンションを買ったけれど、周辺の環境に慣れないのと上の住人の足音を含めた騒音に日々悩まされております。

    マンションを売却して実家に戻りたいと思っていますが、住宅ローンが残っている家は売ることが出来ますか?

    サイトのタイトルとは関係の無い質問ですが、教えてください。

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  2. まだ住宅ローンが残ってる不動産を売却することは可能です。

    ただし、売買契約時(正確には金消契約時に)に、残りのローンも全額返さなければなりません。

    5,000万で買った家が3,500万円でしか売れなかったら
    差額の1,500万円や仲介手数料プラス諸々の費用等を自分で用意できれば問題ありません。

    または任意売却でしょうか。

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