2010年12月23日木曜日

給料差押

給料差押えとは給料の差押は「債権に対する強制執行」の代表例の一つです。 一般に債権に対する強制執行は、債権者が裁判所に債権の差押命令を申し立てる ことによって開始されます。

債権の差押命令は第三債務者に送達された時点で効力を生ずるために、通常は先に第三債務者に送達されます。 つまり給料の差押命令は債務者 ではなく先に債務者の勤務先に送られてしまうことになります。 債務者に対する事前の予告・通知義務などは一切ないので借金を抱えていることを勤務先 に知られたくない人にとっては大変な脅威となるとおもいます。

債権者は、差押命令が債務者に送達されてから1週間経過すると第三債務者に対しその債権を取り立てることができ、給料の差押があった場合はこれに より給料は債権者に持って行かれてしまうことになります。  ただし、給料の手取りの内、生活に必要な分は差押えが禁止されています。

差押禁止額
手取りの4分の3、または21万円、この内少ない額が差押え禁止となっています(退職手当も4分の3が差押禁止となっています)。 つまり差押られる額は 税金や共済金を引いた手取り給料の4分の1です。 但し手取り給料が28万円以上の場合は21万円を引いた全額が差押の対象となり給料は21万円 が支給される事ととなります。

例えば、手取り10万円の場合は2万5,000円が差押え額となります。
手取り20万円の場合には5万円が差押え額となります。
手取り30万円の場合には9万円が差押え額となります。

複数の債権者が差押しても、この額以上は差押られないことになっております。 債権者達がこの範囲内で分け合う事ととなっております。

給料が安くて差押え禁止額が低く生活困難の場合には、裁判所に差押え禁止額の増額を申立ることが出来ます。 また最低限の生活は憲法で保証さ れているので極端に収入が少なく差押えにより生活困難なら差押停止の訴訟を申立ることが出来ます。

役員報酬は全額が差押の対象となります。
年金.恩給.失業保険 等は差押え禁止となっております。


執行認諾文言付き公正証書を作成することによって、給与差し押さえなどの強制執行をすることができるようになります。  強制執行認諾条項とは、「約束をした金銭を支払わなければ強制執行されてもかまいません。」という条項です。

債務者の給与などの財産に対して、強制執行ができるのは、 "債務名義" と呼ばれる文書があるためで、上記の公正証書は、この債務名義のひとつに該当します。  そして、強制執行認諾約款付きの公正証書である「債務名義」に「執行文」を付与してもらい、債務者に債務名義の「送達」という手続きをすることによって強制執行が可能となります。


給料差押のことを『給差(きゅうさし)』と略して使う業者さんもおります。

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