2011年4月15日金曜日

増加競売(滌除)

増加競売とは
増加競売、別名、てき除と言います。

増加競売・滌除は、現在は廃止された制度です。 平成16年3月までは、この増加競売は存在しておりました。 なぜ、この増加競売(てきじょ)が廃止されたのか。 この増加競売は、抵当権者にとっては非常に不利な制度だったからです。

現在は存在しませんが、平成16年3月以前には、増加競売専門の不動産業者さんが多数存在しておりました。 競売で業者が大儲けをしていた時代です。 この増加競売で自社ビルを2棟・3棟建てた業者さん達の話題が頻繁に有った時代です。

滌除・増加競売とは
住宅ローンの残りが5,000万円で、現況の時価相場2,000万円の不動産が有ると仮定します。

当然、ローンが残っているので金融機関によっては、この不動産には抵当権が設定されております。 この抵当権をきれいにするために滌除します。

まず、所有者の親戚・友人・親兄弟の誰かに抵当権付のまま、例えば1万円にて売却して不動産登記します。 その人が抵当権者(銀行)に対して不動産の時価相当額を考慮して2,000万円支払うと通知します。

通知を受けた抵当権者はその2,000万円で納得するか、競売申し立てるしかありません。 納得すれば2,000万円を受け取って抵当権抹消となります。

納得せずに競売申し立ても可能ですが、その不動産が2,000万円の1割増の2,200万円以上で落札されなければ申し立てた抵当権者が2,200万円で買わなくてはいけません。 これを増価競売といいます。

(なお滌除後に無担保で残る3,000万円(あるいは2,800万円)のローン残債は返済していかねければなりません。) しかし、多くの場合、自己破産をしてしまったり、返済から逃げ回ったりしていたようです。

2011年4月10日日曜日

占有者 とは

占有者とは
その場所について直接の支配と監督権を持つ者で、他人の立ち入りについて許可・禁止できる立場にある者をいう。

マンションなどに当てはめると、区分所有者以外で、専有部分の貸与を受けた賃借人を言いますが、区分所有者と同居している親族も含まれます。

落札した物件に占有者がいる場合、「裁判所がその占有を賃借権として認めた場合等」の一定の条件を除いては、買受人は『引渡命令~強制執行』に より占有の排除を申立てることができます。

・ 賃借権がある場合を除いて、占有者の明渡しは引渡命令に基づく強制執行と任意明渡しを並行して行います。

・ 任意明渡交渉の場合は開札日の翌月末を目安として交渉し、一般的に退去費用は出ても約30万円(引越代と転居先の敷金程度)です。

・ 任意交渉で不可能な場合は強制執行の手続きに移ります。 執行費用は約30万円~50万円が目安ですが、残金納付して所有権移転後 でなければ執行申立できません。 強制執行の断行(明渡し)まで申立から2~3ヶ月掛かります。

・ 実際に強制執行により明渡しをするケースは非常に少ないのが現状です。なぜなら占有者にとって強制執行はお金を貰えるどころか、逆に後から執行費用を請求される等、 何のメリットも無いからです。

・ 執行費用と同額程度の負担で迅速に明渡しが受けれるなら、任意交渉の方がメリットが有ると捉える買受人も居ますが、一切の退去費用は出さないという 買受人も居ます。

・ 競売落札後、占有する側にとっても強制執行されるくらいなら、お金を貰って任意での明渡しということを期待するかとは思いますが交渉は程々に妥協すべきでしょう。

2011年4月4日月曜日

占有権原とは

占有権原とは不動産に所有者以外の占有者がいる場合に、その占有者の占有の根拠となる権利の内容です。

競売不動産は交換価値と使用価値が分離する場合があるので使用価値(占有権)が発生しますが、原則、落札者(買受人)が代金納付後は 競売不動産を使用する事が出来る。


第3者の占有者がいる例:
不法占有者が居住している場合:
不法占有者とは、競売落札した物件の代金納付後も、その物件を占有していると裁判所から引渡命令が出される人々をいう。

元の所有者・債務者は買受人の代金納付後の占有権原は認められない。
両親・子供・配偶者など債務者(所有者)と同視される占有者(占有権原が認められない)。
債務者(所有者)と生計を一つにする占有者。
債務法人の役員及びその家族(同族会社)
債務者(所有者)に依頼された占有の補助者・やくざ等(悪質な競売妨害とみなされる)。
占有のない賃借権は権原を認められない。(執行官が調査の時に占有していなければだめ)。
権原のない者からの転借人は認められない。
債権回収目的の占有は認められない。
通常の用法によらない占有は不法占有となる。(住宅なのに倉庫として利用している)
使用借権は解約か本訴で明渡しが請求できる。
そしてこれら占有者に速やかに立ち退いてもらうには明渡訴訟と明渡命令です。
明渡訴訟は、買受人が民事訴訟を提起して、明渡しを認めた債務名義(法廷の文書)によって、正式に明渡しを要求するものです。 費用は自費で、 判決までに6ヶ月など、とても時間がかかります。 しかし引渡命令は、代金納付後6ヶ月以内に申し立て、かつ占有者が、買受人に対抗できない権原に より占有しているものであれば、簡易・迅速(1ヶ月以内)に債務名義を取得することができます。

そのため、最近の引渡命令を利用するようです。 この命令により、占有者に立ち退きを要求したり、さらには強制執行で無理やり追い出します。

2011年4月3日日曜日

次順位買受け申出とは

次順位買受け申出とは開札期日において、最高価買受申出人が売却代金を支払わなかった場合に次順位買受申出資格者が買受人となることを執行官に申し出ることをいいます。

申出をするには ;
(1)最高価買受申出人に次ぐ高額の申出であること。
(2)申出額が買受可能価額以上であること。
(3)申出額が最高価買受申出額から買受申出保証額を控除した金額以上であることが必要となります。

トップで落札をしたのは良いが、残額代金の納付ができない人がごく稀におります。
その場合は、改めて期間を定めて、再度入札を行うことになります。 しかし、先の入札の 際、二番目の買受け価額を設定した人が、この次順位の買受けの申出をすれば、改めて、入札を設定すること無く、一定の条件で、その人に売却の決定がなされま す。

すなわち、第2順位の入札者は、以下の条件(時期、金額)を満たすと、次順位買受けの申出をすることができます。

1)
開札期日の終了までに申出をすること。
2)
第2順位の金額が「買受可能価額」以上で、かつ、最高価の入札金額から「買受申出の保証金」を差し引いた額以上であること。 なお、第2順位の買受申出について、売却許否の決定がされるのは、最高価の入札者が期限までに残代金を納付せず資格を失った場合に限られます。 また、この 時点まで保証金は返還されません。

2011年3月31日木曜日

競売事件番号

競売事件番号
裁判所は競売が申立られると、それを事件として扱います。
そして、それら申立を競売事件として整理番号を付けて管理することになります。 その整理番号のことを事件番号といいます。

担保不動産競売事件と強制競売事件と形式競売事件

担保競売とは、年号○○年(ヶ)第○○○号 となっている事件番号です。

自宅を購入する際、銀行などの金融機関から住宅ローンの融資をうけての購入の場合、必ず「抵当権」を設定します。

抵当権とは、担保権の一種になり、(ケ)で始まる不動産競売事件のほとんどは、この担保競売です。

強制競売
とは、年号○○年(ヌ)第○○○号 となっている事件番号です。

裁判所の判決や裁判所での和解又は調停で決まった競売事件。公証人が制作した公正証書の内容を実現するためなどの競売事件です。

どちらにしても、借金を返済できなくなったことが原因です。所有者の意思に関係なく、売却される点が共通しており、通常の取引・売買とは大きく異なる点です。

形式競売事件とは、債務の清算ではなく、遺産分割、共有物分割、破産手続上の換価など不動産を売却してお金に換える必要があるときに、競売手続をその手段として利用するものです。 事件の性質に応じ(ヌ)又は(ケ)と表示されます。

事件番号の種類
民事裁判記録符号
簡易裁判所
イ  和解事件
ロ  督促事件
ハ  通常訴訟事件
手ハ 手形訴訟事件及び小切手訴訟事件
ハツ 飛躍上告受理事件
ニ  再審事件
へ  公示催告事件
ト  保全命令事件
借  借地非訟事件
ノ  民事一般調停事件
ユ  宅地建物調停事件
メ  商事調停事件
交  交通調停事件
公  公害等調停事件
ア  過料事件
キ  共助事件
サ  民事雑事件
地方裁判所
ワ  通常訴訟事件
手ワ 手形訴訟事件及び小切手訴訟事件
フオ 飛躍上告受理事件
カ  再審事件
ヨ  保全命令事件
タ  人事訴訟事件
レ  控訴事件
レツ 上告受理事件
ソ  抗告事件
ソラ 抗告受理事件
チ  民事非訟事件
ヒ  商事非訟事件
借チ 借地非訟事件
シ  罹災都市借地借家臨時処理事件及び接収不動産に関する借地借家臨時処理事件
セ  農事調停事件
ス  鉱害調停事件
リ  事情届に基づいて執行裁判所が実施する配当等手続事件
ヌ  不動産、船舶、航空機、自動車及び建設機械に対する強制執行事件
ル  債権及びその他の財産権に対する強制執行事件
ケ  不動産、船舶、航空機、自動車及び建設機械を目的とする担保権の実行としての競売等事件
ナ  債権及びその他の財産権を目的とする担保権の実行及び行使事件
ヲ  執行雑事件
企  企業担保権実行事件
フ  破産事件
コ  和議事件
ミ  会社更生事件
船  船舶所有者等責任制限事件
油  油濁損害賠償責任制限事件
ホ  過料事件
エ  共助事件
モ  民事雑事件
人  人身保護事件
人モ 人身保護雑事件
高等裁判所
ネ  控訴事件
ネオ 上告受理事件
ラ  抗告事件
ラク 抗告受理事件
ム  再審事件
ツ  上告事件
ツチ 特別上告受理事件
ウ  民事雑事件
人ナ 人身保護事件
人ウ 人身保護雑事件
最高裁判所
オ  上告事件
テ  特別上告事件
ク  抗告事件
ヤ  再審事件
マ  民事雑事件
刑事裁判記録符号
簡易裁判所
い  略式事件
ろ  公判請求事件
は  証人尋問請求事件
に  証拠保全請求事件
ほ  再審請求事件
へ  共助事件
と  刑事補償請求事件
ち  訴訟費用免除申立事件
り  交通事件即決裁判手続請求事件
ぬ  費用補償請求事件
る  雑事件
地方裁判所
わ  公判請求事件
か  証人尋間請求事件
よ  証拠保全請求事件
た  再審請求事件
れ  共助事件
そ  刑事補償請求事件
つ  起訴強制事件
ね  訴訟費用免除申立事件
な  費用補償請求事件
む  雑事件
高等裁判所
う  控訴事件
の  第一審事件
お  再審請求事件
く  抗告事件
や  費用補償請求事件
ま  刑事補償請求事件
け  決定に対する異議申立事件
ふ  訴訟費用免除申立事件
て  雑事件
最高裁判所
あ  上告事件
さ  非常上告事件
き  再審請求事件
ゆ  上告受理申立事件
め  移送許可申立事件
み  判決訂正申立事件
し  特別抗告事件
ひ  費用補償請求事件
も  刑事補償請求事件
せ  訴訟費用免除申立事件
す  雑事件
没収の裁判の取消事件記録符号
下級裁判所
収い 簡易裁判所
収ろ 地方裁判所
収は 家庭裁判所
高等裁判所
収に 第一審事件
収ほ 控訴事件
最高裁判所
収へ 第一審事件
収と 上告事件
行政事件記録符号
簡易裁判所
行ア 共助事件
行イ 雑事件
地方裁判所
行ウ 訴訟事件
行エ 飛躍上告受理事件及び上告受理事件
行オ 再審事件
行カ 抗告受理事件
行キ 共助事件
行ク 雑事件
高等裁判所
行ケ 訴訟事件(第一審)
行コ 控訴事件
行サ 上告受理事件
行シ 特別上告受理事件
行ス 抗告事件
行セ 抗告受理事件
行ソ 再審事件
行タ 雑事件
最高裁判所
行チ 訴訟事件 第一審
行ツ 上告事件
行テ 特別上告事件
行ト 抗告事件
行ナ 再審事件
行ニ 雑事件
その他の記録符号
家庭事件記録符号
家  家事審判事件
家イ 家事調停事件
家ハ 家事共助事件
家ロ 家事雑事件
少  少年保護事件
少ハ 準少年保護事件
少イ 成人刑事事件
少ニ 少年審判等共助事件
小ロ 少年審判雑事件
少ホ 成人刑事雑事件
法廷等の秩序維持に関する法律違反事件記録符号
秩い 簡易裁判所
秩ろ 地方裁判所
秩は 家庭裁判所
高等裁判所
秩に 第一審事件
秩は 抗告事件
秩へ 異議申立事件
最高裁判所
秩と 第一審事件
秩ち 特別抗告事
裁判官の分限事件記録符号
分  第一審事件
分ク 抗告事件

2011年3月26日土曜日

住宅金融支援機構

住宅金融支援機構
設立 : 平成19年4月1日
目的 : 一般の金融機関による住宅の建設等に必要な資金の融通を支援するための貸付債権の譲受け等の業務を行うとともに、国民の住生活を取り巻く環境の変化に対応 した良質な住宅の建設等に必要な資金の調達等に関する情報の提供その他の援助の業務を行うほか、一般の金融機関による融通を補完するための災害復興建築物 の建設等に必要な資金の貸付けの業務を行うことにより、住宅の建設等に必要な資金の円滑かつ効率的な融通を図り、もって国民生活の安定と社会福祉の増進に 寄与します。

資本金 : 6,976.55億円(平成22年度末見込み※、全額政府出資)


 
平成21年度第1次補正予算の執行見直しに伴う2,300億円の国庫 返納及び平成22年度当初予算を反映したもの
店舗 : 本店 〒112-8570 東京都文京区後楽1-4-10
支店 全国の主要都市に11店舗

常務内容 : 住宅金融支援機構は、民間金融機関による長期固定金利の住宅ローンの供給を支援する証券化支援業務を業務の柱とするほか、民間住宅ローンの円滑な供給を促 進する住宅融資保険業務や住宅関連の情報提供の業務、政策上重要で民間金融機関では対応が困難な融資業務などを行います。 (住宅金融支援機構のサイトから抜粋)

利用条件および融資対象
  • 一般財形貯蓄・財形年金貯蓄・財形住宅貯蓄のいずれかを1年以上続け、申込日前2年以内に財形貯蓄の預入れを行い、かつ、申込日における残高が50万円以上ある方
  • 勤務先から住宅手当・利子補給・社内融資などの援助(負担軽減措置)が受けられる方
    (リフォームの場合は必要ありません。)
  • ご自分で所有及び居住する住宅を建設される方、購入される方、リフォームされる方
  • 年収に占めるすべてのお借入れ※の年間合計返済額の割合(=総返済負担額)が次の基準を満たす方

    400万円未満 = 30%以下
    400万円以上 = 35%以上
  • 申込日現在、70歳未満の方(リフォーム融資は79歳未満の方)
    (親子リレー返済を利用される方は、70歳(リフォーム融資は79歳)以上でも申込めます。)
    ※  連帯債務者(収入合算、親子リレー返済、共有などのため)をたてることもできます。
    ※  連帯保証人は、必要ありません。(参照: 住宅金融支援機構のご利用条件・融資対象)
フラット35
フラット35は、民間金融機関と住宅金融支援機構が提携してみなさまに提供している長期固定金利住宅ローンです。
長期固定金利住宅ローンは、資金のお受取り時に返済終了までの金利・ご返済額が確定する住宅ローンですので、長期にわたるライフプランを立てやすくなります。
フラット35は、「金利変動がない安心」で大切なマイホームの取得とその後のライフプランをサポートします。(フラット35のページから)

フラット35のメリット
最長35年の長期固定金利住宅ローン
「フラット35」は最長35年の長期固定金利住宅ローンです。資金のお受け取り時に返済終了までの金利・返済額が確定します。

保証料無し・繰上げ返済手数料ゼロ
通常の住宅ローンで必要となる保証料がかかりません。保証人も必要ありません。 また、ご返済中に繰上返済や返済条件の変更を行う際も手数料は一切いただきません。

機構の基準による住まい作りを応援
住宅の断熱・耐久性などについて、住宅金融支援機構において独自の技術基準を定め、物件検査を受けていただいています。

併せて新築住宅では、建築基準法に基づく検査済証が交付されていることを確認しています。物件検査に当たっては、物件検査手数料が必要で、お客様のご負担となります。物件検査手数料は、適合証明機関によって異なります。

返済中も安心サポート
多様な返済方法変更のメニューを揃え、返済についてお悩みをお持ちのお客様に、親身になって返済相談に応じ、お客様のご事情に合った返済方法の変更をご提案しております。

また、お客様に万一のことがあった場合に備えて、機構団体信用生命保険、さらに3大疾病保障付機構団体信用生命保険もご用意しています。

フラット35が利用できる人の条件
  • お申し込み時の年齢が満70歳未満の方(親子リレー返済をご利用される場合は、満70歳以上の方もお申込みいただけます。)
  • 日本国籍の方、永住許可を受けている方または特別永住者の方
  • 年収に占めるすべてのお借り入れ(フラット35を含みます。)の年間合計返済額の割合(=総返済負担率)が、次の基準を満たしている方(収入を合算することもできます。)
       ・ 400万円未満 = 30%以下
・ 400万円以上 = 35%以上
  • ※ すべてのお借り入れとは、フラット35のほか、フラット35以外の住宅ローン、自動車ローン、教育ローン、カードローン(クレジットカードによるキャッシングや商品の分割払いによる購入を含みます。)等のお借り入れをいいます。(収入合算者の分を含みます)
  • お借り入れの対象となる住宅及びその敷地を共有する場合は、お申し込みご本人が共有持分を持つこと等の要件があります。
(注) 年収については、原則として、お申し込み年度の前年(平成22年度においては平成21年1月~12月)の収入で審査します。 参考: フラット35のご利用条件

2011年3月25日金曜日

所有権移転手続とは

所有権移転手続とは代金納付手続が終わったら、裁判所書記官から管轄法務局に対し、次の登記嘱託手続をすることになります。

(1)
前所有者から買受人に対する所有権移転登記(物上保証人の方が買い受けた場合は不要です。)

(2)
差押登記や抵当権等の設定登記抹消登記。 上記の登記を嘱託する際には、登録免許税法の定めにより手数料(収入印紙又は納付書による 納付)を納付しなければなりません。

相続による所有権移転の場合、以前の所有者は被相続人すなわちすでに死亡した人であるため、共同で申請することは不可能です。 そのため相続 の場合は相続人の単独申請によって所有権移転登記ができると決められています。 なお、申請手続きは必ずしも本人がしなければならないわけではな く、代理人による登記申請もすることができます。 申請先は、不動産の所在地を管轄する法務局となります。

不動産登記に必要な書類
・ 委任状(代理人による場合)
・ 登記申請書
・ 売買契約書
・ 売主の登記済権利証
・ 売主の印鑑証明書(作成後3ヶ月以内のもの)
・ 買主の住民票
・ 固定資産税評価証明書
・ 登録免許税相当額の現金
・ 司法書士報酬(司法書士に委任する場合)

万が一、権利証を紛失してしまい、権利証を用意できない場合には「保証書」という書類で代替することも可能です。 司法書士に依頼する場合、これ らの場合には余分の費用が必要となります。

2011年3月20日日曜日

自己破産をすると官報に記載されます

自己破産をすると官報に載ることになります。
政府が発行する重要な刊行物で毎日発行され全国に販売所が有ります。
官報は、法律、政令、条約等の公布をはじめとして、国の機関としての諸報告や資料を公表する「国の広報紙」「国民の公告紙」としての使命を持っています。 さらに、法令の規定に基づく各種の公告を掲載するなど、国が発行する機関紙として極めて重要な役割を果たしています。(参考: 独立行政法人国立印刷局)

官報は "本紙", "号外", ".政府調達" が有り、自己破産民事再生法の公示は号外の公告の欄に掲載されるます。
自己破産の場合には2回、官報に掲載されます。 民事再生は3回官報に掲載されることになります。

(1)破産申立
(2)破産審問
(3)破産決定(財産が無ければ同時廃止)
→(4)官報公告
(5)免責審尋
(6)免責決定
→(7)官報公告

自己破産の場合、破産決定2週間後と免責決定2週間後の官報に掲載されます。
掲載後2週間何処からも意義や抗告(不服)が無ければ確定となります。 債権者以外の一般人も異議・抗告が可能です。 例えば、『確たる証拠を持って、隣の人がが自己破産するようだが、彼は毎日パチンコ屋や飲み屋に通っているぞ・・』なんて裁判所へ申出られた ら免責決定が取消しとなり得るます。

自己破産などで官報に掲載されると、その情報を闇金業者が利用して大量のダイレクトメールが郵送されてくることになります。

ちなみに、官報に自己破産したことが載ったとしても、自己破産した事実が知り合いの誰かに分かってしまう確率は限りなくゼロに近いといっても過言ではありません。  もし、どうしても心配でしたら、官報がどのようなものか、参考までに自分の目で確かめてみては。 独立行政法人国立印刷局が提供しているインターネット版『官報』

官報に記載される内容

▼破産手続き開始決定が出たあと
※ ここでは、同時廃止事件(個人の方が特に財産をお持ちでなく自己破産する場合はほとんどが同時廃止となります。)の場合の記載をご紹介しています。

事件番号 平成○年(フ)第○○号

住所 → 自己破産される方のご住所

債務者 □□□□→ 自己破産される方のお名前

1 決定年月日
平成○年○月○日午後○時


2 主文
債務者について破産手続を開始する。
本件破産手続きを廃止する。

3 理由の要旨
破産財団をもって破産手続きの費用を支弁するのに不足する。

4 免責意見申述期間
平成○年○月○日まで

裁判所名 → 自己破産を申し立てた裁判所名


▼免責決定が下されたあと
事件番号 平成○年(フ)第○○号

住所 → 自己破産された方のご住所

破産者 □□□□→ 自己破産された方のお名前

1 決定年月日
平成○年○月○日

2 主文
破産者について免責を許可する

裁判所名 → 自己破産を申し立てた裁判所名

なお、官報には全国の自己破産をされる方の情報が掲載されるわけですから、官報の同じページには、20名近くの方の情報が記載されることになります。

2011年3月17日木曜日

自己破産は恥ずかしくはない!

自己破産とは
多重債務者で借金地獄に陥った方の生活再建のための最終的手段です。  債権者または債務者が裁判所に申し立てを行います。

債務者自身が申し立てた場合を自己破産といいます。
破産は裁判所が関与し、債務者の全ての財産を換価し、 債権者に公平に 配当し、そのうえで免責を得られれば、税金などの一部の債務を除き、借金から開放される清算型の法的債務整理の一種です。

しかし全ての財産 を投げ出さなければならないので、不動産を持っている人は、これを手放さなくてはなりません。

また、債権者は公平に扱わなければなりませんので 知り合いから借りたお金だけ返すという訳にはいきません。

司法書士、弁護士に依頼をして手続きをすれば家族を含め友人や会社の同僚などに知られることもありませんし、頭痛の種の取り立ての電話や各債権者への返済も ストップされます。

自己破産は考えているほどの不利益があるわけではありません。 支障があるとすれば5年~10年程度の間はローンや クレジットの利用ができなくなったり、不動産を買うための新規融資が受けられなくなったりはします。 しかし戸籍に載ることもありませんし、今後の就職に 支障をきたすこともありません。

不動産とか大きな財産は売却しなければなりません!
自己破産は借金整理・債務整理の最終手段ですので当然、必要最低限の生活用品を除く全ての財産は強制的に換価(現金化)されて、債権者に平等に 分配されますので、マイホームのように非常に財産価値が高いものは、当然に換価されることになります。

具体的には破産管財人によって任意売却 されるか競売にかけられることになりますが、直ぐに家を追い出されるというわけでは無く、新しい買主が現れるまでは従来どおりに住み続けることができます。  現実には、破産を申立ててから不動産が売却・競売されるまでに半年以上かかることも珍しくありませんので、その間であれば追い出されることはないといえます。

任意売却は自己破産の前が良いのか後が良いのか?
任意売却業者的見解で言うならば、自己破産の前に任意売却もしくは競売をした方が、債務者にとっては有利です。 不動産という高価な資産を整理して おいた方が、費用的に安くなりますし、手続き的には楽になります。

同時廃止
通常なら破産開始決定と同時に裁判所は破産管財人を選任して、破産者の財産を調査、換価、処分し、各債権者に債権額に応じて配当しますが、破産者に換価(現金化)す るほどの財産が無いことが明らかな場合は、破産管財人にかける費用や手間を省き、手続きをより迅速、かつ破産者の負担を軽くするために、この同時廃止の制 度が有るのです。

同時廃止となれば当然、債権者には配当は一切出ず(財産がないので仕方ありません)、引き続き「免責許可の決定」の手続きに入ります。

しかし、法人または、個人事業者の場合は原則、同時廃止になることは少なく、破産管財人が選任され、管財事件となります。

免責決定
免責とは一種の免罪符のようなものです。
自己破産を申し立てたのが個人である場合、自己破産宣告を受けただけでは、債務の支払いを免れることが出来ません。

自己破産手続の後に行われる自己破産免責手続において自己破産免責決定をもらう必要があります。 自己破産免責手続は、自己破産手続に引き続いてなされますが、自己破産手続とは別の手続で、自己破産者が債権者に対する債務の返済いから免れるための手続です

自己破産の費用
・ご自分で行う場合 ・・ 約2万円 ~ 5万円(実費)
・司法書士の場合 ・・ 約15万円 ~ 30万円
・弁護士の場合 ・・ 約20万円 ~ 50万円
詳しくは最寄りの裁判所、司法書士、弁護士事務所にお訊ねください。

自己破産で失うもの、得るもの

社会的信用は完全に失います。 企業によっては昇進の際に、個人情報を会社側に提示させる場合も有るようです。 個人信用調査で事故の情報が記載されていると出世は絶望的となることもあり得ます。

しかし借金をチャラに出来るメリットは大きいと思います。
競売でも任意売却でも返済しきれないローンが出てしまいます。 自己破産をすると、その残ったローンの返済から逃れることができるのです。

自己破産は諸刃の刃です。 十分に検討をして活用してください。

2011年3月11日金曜日

執行抗告とは

執行抗告
執行抗告とは裁判所の執行処分に対する不服申立てのことです。

売却の許可または不許可の決定に対する執行抗告
民事執行法第74条
売却の許可又は不許可の決定に対しては、その決定により自己の権利が害されることを主張するときに限り、執行抗告をすることができる。


 売却許可決定に対する執行抗告は、第71条各号に掲げる事由があること又は売却許可決定の手続に重大な誤りがあることを理由としなければならない。 
 
 民事訴訟法第338条第1項 各号に掲げる事由は、前二項の規定にかかわらず、売却の許可又は不許可の決定に対する執行抗告の理由とすることができる。 
 
 抗告裁判所は、必要があると認めるときは、抗告人の相手方を定めることができる。 
 
 売却の許可又は不許可の決定は、確定しなければその効力を生じない。

競売と執行抗告
競売の申立を受けた人が、その競売を不服として異議申し立ての執行抗告はできません。 しかし、競売落札後の売却許可決定に対して執行抗告により争うことができきます。

競売と執行異議(民事執行法第11条)
申立てられた競売に対して、どうしても納得が行かないという場合には、裁判所にたいして執行異議を申立てることはできます。 ただし、競売を中止させるには申立人の違法性を指摘しなければならないので非常に難しいと考えられます。
 
強制競売の申し立てを却下する決定に対しては、執行抗告ができることになっています。

不動産引渡しに対する執行抗告(民事執行法第83条)
引渡し命令はこれが確定すると債務名義となり、債務者もしくはその不動産を占有している人に大きな影響を与えることになるから、引渡命令正本が送達された日の翌日から1週間以内であれば執行抗告という不服申立ができます。

執行抗告が提起された場合は、引渡命令が確定しないことになりますので、その抗告事件の判断がなされるまでその後の強制執行手続はできないことになります。

この場合の執行抗告は競売そのものに対しての抗告とはなりません。
民事執行法第71条(売却不許可決定)
執行裁判所は、次に掲げる事由があると認めるときは、売却不許可決定をしなければならない。

1.強制競売の手続の開始又は続行をすべきでないこと。
2.最高価買受申出人が不動産を買い受ける資格若しくは能力を有しないこと又はその代理人がその権限を有しないこと。
3.最高価買受申出人が不動産を買い受ける資格を有しない者の計算において買受けの申出をした者であること。
4.最高価買受申出人、その代理人又は自己の計算において最高価買受申出人に買受けの申出をさせた者が次のいずれかに該当すること。
   イ その強制競売の手続において第65条第1号に規定する行為をした者
   ロ その強制競売の手続において、代金の納付をしなかつた者又は自己の計算においてその者に買受けの申出をさせたことがある者
   ハ 第65条第2号又は第3号に掲げる者
5.第75条第1項の規定による売却の不許可の申出があること。
6.売却基準価額若しくは一括売却の決定、物件明細書の作成又はこれらの手続に重大な誤りがあること。
7.売却の手続に重大な誤りがあること。


執行抗告は落札されてしまった元の不動産の所有者や占有者が少しでも長く住んでいたい時や、立退料の交渉の道具に使ったりするときなどに行われるようです。 また、この執行抗告を元の不動産所有者などから請け負う業者さんもおります。


2011年3月10日木曜日

自力救済

自力救済とは
自力救済というのは、司法手続きによらずに、自力でその権利を実現することをいいます。

ただし、自力による権利の行使が広く認められてしまうと、社会秩序が混乱するおそれがありますので、国家権力が確立された現在では、私権の実現は、司法手続きによって行うのが原則となります。

自力救済の禁止
土地の不法占拠や物が盗まれた場合であっても、裁判手続を経ずして自ら不法占拠者を追い出したり、物を取り戻すことはできません。これを自力救済の禁止といいます。

また、自分のものがある日盗まれてしまい、その後にある人が、その盗まれたものを持っているのを発見した場合。自分の物なのだから、力ずくで取り返してもいいですよね?ところがそれは禁止されているのです。

「いかなる原因によろうとある人がある物を事実上支配している場合に、他人が私力によって干渉・妨害・撹乱することを禁止」するのが、自力救済の禁止です。盗んだ人を擁護するような話ですが、社会の平穏な秩序を維持するために必要であるとされています。

なお、刑法では自分の権利の保全のために官憲の力を借りる暇が無い場合には、自ら自力救済をすることを認めています。緊急性の程度やそのためにとった手段を総合的に判断して、社会的に相当だと認められる場合には違法とはならないそうです。

賃貸マンションの部屋の鍵交換は自力救済
東京地方裁判所 平成16年6月2日判決(確定)
賃貸借契約解除後の賃貸人による建物の鍵の交換が違法な自力救済として不法行為に該当するとされた事案(但し損害賠償請求については立証なしとして棄却)。

競売と自力救済
競売で不動産を落札。 しかし、占有者が出て行かない場合、占有者の隙を見て建物の鍵を交換、残留物等をを処分することは出来ません。

残置物を占有者の承諾無く処分する行為は自力救済に当たり、後々、損害賠償請求をされるおそれがあります。

2011年3月8日火曜日

執行官 - 裁判所

執行官 - 裁判所法第62条および執行官法1条
執行官は、各地方裁判所に所属する裁判所職員で裁判の執行などの事務を行います。

裁判の執行とは,裁判で出された結論が任意に実現されない場合に、強制的に実現することです。


例えば家の明渡しを命じられた人が明け渡さない場合に、その家から明渡義務を負う人(債務者)を排除した上で、明渡しを受ける権利を有する人(債権者)に引き渡したり借金を返さない人(債務者)の宝石、貴金属等の動産や手形、小切手等の有価証券(裏書の禁止されているものを除く。)を差し押さえて売却し、その代金を貸主(債権者)に返済するお金に充てるといった職務を行っています。

また、不動産の(強制)競売が申し立てられた場合に、不動産の状況等を調査するなどの事務を担当しています。

この他、民事訴訟の裁判関係文書を当事者等に届けるといったことも執行官の職務の一つです。


執行官は、職務を行う際に抵抗を受ける場合には、その抵抗を排除するために警察の援助を求めることができるなど強い権限が与えられており、その権限を自らの判断と責任において行使しますが、職務の執行については、地方裁判所の監督を受けます。

また、執行官は、各地方裁判所によって任命される裁判所の職員ですが国から給与を受けるのではなく、事件の当事者が納めた手数料を収入としています。 参考 : 裁判所のサイトから転載

執行官法
第一条: 職務 執行官は、次の事務を取り扱う
一項 :
民事訴訟法 (平成八年法律第百九号)、民事執行法 (昭和五十四年法律第四号)、民事保全法 (平成元年法律第九十一号)その他の法令において執行官が取り扱うべきものとされている事務。

二項 :
民事執行法 の規定による民事執行、民事保全法 の規定による保全執行その他私法上の権利を実現し又は保全するための手続を構成する物の保管、管理、換価その他の行為に係る事務で、裁判において執行官が取り扱うべきものとされたもの。

第二条: 事務の処理
一項 :

執行官は、申立てによりその事務を取り扱う。 ただし、裁判所が、その係属する事件の手続の一部として、直接に執行官に取り扱わせる事務については、この限りでない。

二項 :
執行官の事務の分配は、所属の地方裁判所が定める。 ただし、前条第二号の事務のうち裁判において特定の執行官が取り扱うべきものとされた事務は、その執行官が取り扱う。

第三条: 排斥 - 執行官は、次の各号に掲げる場合には、職務の執行から除斥される
一項 :
執行官又はその配偶者が、当事者(刑事事件及び少年の保護事件における被害者を含む。 以下同じ。)であるとき、又は当事者と共同権利者、共同義務者若しくは償還義務者の関係にあるとき。

二項 :
執行官が当事者の四親等内の血族、三親等内の姻族又は同居の親族であるとき。

三項 :
執行官が当事者の後見人、後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人又は補助監督人であるとき。

四項 :
執行官がその取り扱うべき事務について当事者の代理人であるとき。

第四条: 職務執行区域
執行官は、他の法令に別段の定めがある場合を除き、所属の地方裁判所の管轄区域内においてその職務を行なう。

第五条: 不服の申立て
申立てにより取り扱う事務についての執行官の処分(手数料及び費用の額の計算を含む。) 又はその遅怠に対する不服の申立てについては、民事執行法 (これを準用する場合を含む。)に特別の定めがあるものを除くほか、同法第十一条第一項 後段の規定による執行異議の例による。

第六条: 金銭の保管
執行官が職務の執行として差し押え、又は交付を受けた金銭は、これを受け取るべき者に直ちに交付し、又は供託するものを除き、最高裁判所の規則で定めるところにより、執行官の所属の地方裁判所が保管する。

第七条: 手数料及び費用
執行官は、その職務の執行につき、手数料を受け、及び職務の執行に要する費用の支払又は償還を受ける。

第八条: 手数料を受ける場合

詳細はe-Gov(イーガブ)は総務省が運営する総合的な行政ポータルサイトを参考にしてください。

第九条: 手数料の額
一項 :
前条第一項第一号から第二十一号までの事務に係る手数料の額は、事務の内容、当事者の受ける利益、物価の状況、一般賃金事情その他一切の事情を考慮して、最高裁判所の規則で定める。

二項 :
前条第一項第二十二号の事務に係る手数料の額は、裁判において当該事務を執行官が取り扱うべきものとした裁判所が定める。

第十条: 費用の種類 - 執行官が支払又は償還を受ける費用は、次のとおりとする。
一項 :
1)  送付に要する費用及び電信電話料
2)  公告の費用
3)  民事執行法第7条 (これを準用する場合を含む。)に規定する立会人の日当及び旅費
4)  技術者及び労務者の手当
5)  民事執行法第136条 又は第138条 (これらを準用し、又はその例による場合を含む。)に規定する事務を行うための費用
6)  物の運搬、保管、監守及び保存の費用
7)  果実収穫の費用
8)  官庁その他の公の団体から証明を受ける費用
9)  物の現況を記録するために撮影する写真の費用
10)  民事執行法第161条第5項 (これを準用し、又はその例による場合を含む。)に規定する証書の作成の費用
11) 執行官の旅費及び宿泊料
12)  前各号の費用以外の執行官の職務の執行に要する費用で、最高裁判所の規則で定めるもの

二項 :
前項第3号に規定する日当及び旅費は、最高裁判所の規則で定める場合に執行官が支給するこれらの費用とする。


三項 :
執行官の旅費及び宿泊料は、執行官が、その勤務する裁判所から一キロメートル以上の地においてその職務を行なう場合、及び執行官がその職務を行なうために宿泊を要する場合におけるこれらの費用とする。

第十一条: 費用の額
一項 :
前条第一項第三号及び第10号から第12号までの費用の額は、最高裁判所の規則で定めるところによる。

二項 :
前項に規定する費用を除くほか、費用の額は、実費の額による。

第十二条: 支払義務者
執行官の手数料及び職務の執行に要する費用は、執行官が申立てにより取り扱う事務については申立人が、裁判所が直接に執行官に取り扱わせる事務については裁判所が、支払い又は償還する。 ただし、法律に別段の定めがあるときは、その定めによる。

第十五条: 予納

一項 :
執行官は、申立てにより取り扱う事務については、最高裁判所の規則で定めるところにより、申立人に手数料及び職務の執行に要する費用の概算額を予納させることができる。 ただし、申立人が訴訟上の救助を受けた者であるときは、この限りでない。

二項 :
前項の概算額の予納は、執行官の所属の地方裁判所にするものとする。

三項 :
申立人が第一項の概算額を予納しないときは、執行官は、申立てを却下することができる。

四項 :
申立人は、予納した金額の限度において、手数料及び費用の支払又は償還の義務を免れる。この場合においては、執行官は、予納を受けた裁判所から手数料及び費用の支払又は償還を受ける。

執行官法参考e-Gov(イーガブ)は総務省が運営する総合的な行政ポータルサイト

2011年3月4日金曜日

残債

残債とは残債務のことです。
残っている債務・借金のことです。

競売で不動産を売却されたのだから一切の借金・残債も帳消しになる。 任意売却で自宅を売却した後には一切のローン・残債がチャラになると誤解をしている人たちが居ます。

競売が終わった後にも、任意売却が終わった後でも、債権者からは残債の全額支払いを請求されるのが一般的です。 そして、その債権が債権回収会社のサービサーに譲渡された場合でも、債権額を請求され続けることになります。

しかし、競売後 / 任意売却後は無担保債権となってしまいますので、債権者が取りうる回収方法は限られて来ます。 給与所得者であればせいぜいのところ、給料の差押えか預金の差押さえぐらいでしょう。

競売で残る債務・任意売却で残る債務の違い
競売も任意売却も債務が残る点では同じですが、残債の処理については大きく異なります。

残債の返済額をいかに抑えるかは、いかに債権者と話し合いのできる余地を、しかも債務者が主導権を持ってできるか、ということが重要になってきます。

競売は裁判所が主導権を握って一方的に事を進めます。 その間に競売後の残債の返済の話合いの場などは存在しません。 一般的には競売後に債権者から『●●さん、今後、毎月々●●万円を以下の口座へ入金してください』と通知されるだけです。

一方、任意売却は不動産が売却されるまでに、何度も何度も債権者と任意売却後の返済計画の話合いが行われるのです。 普通、任意売却後の返済額は "5,000円~60,000円" 位の間で落ち着きます。

自己破産と残債
競売後自己破産をする。 任意売却後自己破産をする。
自己破産をすると、これら残債との戦いは無くなります。 しかし、自己破産をするにも15万円~30万円前後の弁護士費用がかかります。

2011年2月21日月曜日

残債務とは

残債務とは
競売とか任意売却などの債務整理をした後に残る返済義務のある借金とか住宅ローンなどのことです。

この残債務の処理を誤ると、競売後、任意売却後にも苦しめられることになります。
またこの残債務は競売後または任意売却後には債権となってサービサーからサービサーへ転売を重ねる場合があります。

サービサーによっては、強く返済を求めてくる場合も有りますし、全く 返済をして来ない場合も有ります。 残債の返済要求はサービサー次第です。

任意売却後にも返済義務の有る債務は残ります!
任意売却の残債務の返済額の交渉は出来ます!
サービサーが変わり、返済の再請求を受けた時点でお支払いが出来ない状況に有る場合は、弁護士さん・司法書士さんにお願いをして 交渉をしてもらいましょう。

任意売却終了後または競売終了後には ”無担保債権" となるので怖いモノは無い! 残る債務の返済は取られる家・物が何も無いので支払督促を怖がることは無い。 無い物は無いで逃げ切れば良いと言い切る 任意売却業者さん・競売業者さん・アドバーザーさん達ががおります。 これは残債務の返済から逃げるのであって、残債務が消えるということを意味しているの ではありません。

残債務の時効
任意売却後・競売後に上手く逃げ切れれば良いのですが、そうは上手く問屋が卸さない場合も多々ありますので要注意です。 逃げ切ろう とお考えの方は、任意売却・競売が完了して半年後、1年後、2年後に督促、裁判、給料差押えとなることも計算に入れておいた方がよいかもし れません。

5年間上手に逃げ切れれば時効となります。
サービサーによっては、その前に裁判所に訴訟を起こして債務名義をとりに来ると考えられます。 債務名義が債権回収会社に取られてしまうと、時効が延びます。

必ず、残債務返済のための督促は届きます!
例えば、Aという任意売却業者さんで、任意売却をしたとします。
そして半年後、1年後に残債務の返済請求が来た場合、任意売却を依頼したAという任意売却 業者さんへご相談をしてください。

過去に、貴方の任意売却の事案に全く関わっていない他の任意売却業者さんへ残債務の相談をしても『当社では何も出来ません!』と 断られるのが落ちです。

Aという任意売却の業者さんもひょっとしたら断ってくることも考えられます。 その際には弁護士さんに相談するしか道はありません。

半年後、1年後に来るであろう残債務の返済催促をことを考えて、任意売却の業者さんを選出すのべきです。

2011年2月20日日曜日

債務不存在確認訴訟とは

債務不存在確認訴訟
債務不存在確認訴訟とは、権利の存否について紛争がある場合に、義務者とされている人が原告となり権利者と主張している人を被告として、被告の主張する原告の債務が存在しないことの確認を求める訴訟なのです。

ポイントは、債務不存在確認訴訟を申立てて、債権者にこれ以上の債務はないことを公に認めさせるわけです。 これにより、債権者は返済請求をすることができなくなります。

債務不存在確認訴訟を行う意義!
借りたお金をすでに返し終わっているのが確実である場合や、利息制限法にもとづく再計算をしたら借金がすでに無くなっている(債務残高が0円になっている)にもかかわらず、債権者から「お金を返せ」と請求が来た場合には、債権者に対して債務(借金)はもう存在していないことを認めさせる手続をとる事ができます。

債務不存在確認訴訟が提起できる場合
+ 高い利息(年20%以上)の借金を返済している場合
+ 借金をすべて返し終わっている場合
+ 借りた覚えのない借金を請求された場合

債務不存在確認訴訟の申立はそれほど難しくはないので自分でもできますが、そうした悪徳金融業者が相手になる場合には、弁護士や司法書士などの専門家の力を借りたほうが無難だと思います。

消滅時効
・消費者金融・サラ金等からの借り入れ最後の支払日の翌日から5年です。
・判決で確定した債務名義を取られた時点から10年です。

消滅時効とは、一定の期間、権利を行使しないとその権利が消滅してしまうというものです。 しかし、一定の期間が過ぎても、当然に消滅するのではなく、時効の利益を受ける人が時効の利益を
受けることを宣誓しなければ(時効の援用)、権利は消滅しません。

消滅時効の期間が過ぎても、自然に債務が消滅するものではありません。 消滅時効の起算点は、例外もありますが期限の到来したときから計算します。

消滅時効は、時効の援用(主張)が大切です。
途中、払いますと言ってしまったり、1円でも払ってしまうと債務の承認行為により、時効が中断します。

消滅時効の中断
口頭や、請求書で請求した場合、その後の6か月以内に、差押、仮差押、仮処分、訴訟の提起支払督促すれば、6か月間、時効を延ばすことができます。 延ばすことができるのは一度きりです。

2011年2月18日金曜日

三点セット - 競売の3点セット

競売の三点セット
裁判所が公開する競売不動産の総合的な記録(情報)を指します。

裁判所の認識を示す物件明細書、評価人(鑑定士)の評価書、執行官の現況調査報告書(写真含む)の三点で構成されています。

当該物件の権利関係などが盛り込まれており、入札や引き渡し命令などの際の判断資料となります。

参考: 裁判所-民事執行手続

【1】
物件明細書
差押不動産に係る不動産の表示、権利関係 (買受人の負担となる質権、用益権、留置権等の存在、仮処分の存在等が記載される。) (民事執行法第62条・民事執行規則第31条) 落札後法廷地上権が発生する場合記載 (民法第388条・民事執行法第81条)

【2】 評価書
差押不動産に係る不動産の表示、権利関係 (買受人の負担となる質権、用益権、留置権等の存在、仮処分の存在等が記載される。) (民事執行法第62条・民事執行規則第31条) 落札後法廷地上権が発生する場合記載 (民法第388条・民事執行法第81条)

【3】 現況調査報告書
不動産の形状、占有関係、権利関係及び土地、建物の撮影(民事執行法第57条・民事執行規則第29条・第31条)

物件明細書
不動産を買い受けた際、引き継がなければならない権利などを記載されています。 絶対に確認しなければならない項目です。

評価書
主に不動産鑑定士による物件の評価を記載したもの。 これをもとに「売却基準価格」を算出します。 鑑定士の技量によって価格が大きく左右されてしまいます。 地元での評価が余り高くない不動産が高く評価され任意売却が出来ない場合もあり得ます。

現況調査報告書
裁判所の執行官が各物件について調査作成したもの。
占有状況については、「誰が」「どのように」占有しているかまでチェックすることがポイントです。 また、物件に対する執行官の意見は、状況判断が難しい事項などが記載されることがあります。 注意をして読む必要があります。




2011年2月17日木曜日

差押え

仮差し押さえ と 差押え

仮差押とは
債権者が債権を保全するために行う手段の一つです。
金銭により請求できる債権に係る強制執行を保全するため、債務者の財産の処分を禁止する手続きです。

金銭債権を持つ者が、将来の強制執行ができなくなることを防ぐために、債務者の財産を暫定的に押さえておく手続きです。

将来訴訟で勝訴し、強制執行をしようとしても給付の実現が著しく困難となるおそれがある場合に現状保全を目的として行われます。

地方裁判所の仮差押命令に基づいて行われ、不動産の場合には仮差押の登記または強制管理の方法によるが、強制執行と異なり売却、配当は行われません。

差押えとは
国や自治体、裁判所などの公的機関によって、債務者が財産を処分することを禁止して、競売などによって換金できる状態にしておく手続き(将来の強制執行の保全)のことを指します。

その対象物が不動産の場合は登記簿に記載され、処分禁止の効力が発生します。

裁判所の確定判決など、本差押えができる条件が満たされていない場合に、暫定的に押さえておくのが仮差押えです。

債権者の申し立てと一定の予納金を納めることで実行に移されます。

仮差押さえと差押えの違い
「差押さえ」は民事執行法に基づいて、「仮差押さえ」は民事保全法に基づいて行われます。

差押えと仮差押えの大きな違いは、差押えでは債権の弁済を受けることができますが仮差押えでは弁済を受けることはできないという点です。

2011年2月15日火曜日

債権譲渡とは

債権譲渡
債権譲渡とは、債権の内容を変えずに他人に移転することです。

民法第466条(債権の譲渡性)に債権は譲り渡すことができることを規定している。
債権譲渡の効力は、債務者と債権者との合意だけで成立するが、債権譲渡の事実を知らない第三者に対抗するには債務者への通知、債務者の承諾が必要となる。

ただし、債権の性質によってはこれを認めていないものもあります。
債権譲渡の効力は、債務者と債権者との合意だけで成立し ます。 また債権の譲渡は、当事者(債権者債務者等)が反対の意思表示をした場合には適用しません。 しかしながら、債権譲渡を知らなかった第三者に対して は債権を譲渡したことを主張できません。 債権を譲り受けたことを第三者に主張する為には、譲渡人(債権を渡した人)から債務者へ通知するなどの対抗要件を 必要とします。

対抗要件とは(民法弟467条)
債権譲渡の譲り渡し人は債務者に「通知」するか、債務者がこの譲渡を「承諾」しなければ、債務を譲り渡したことを第三者に主張できません。

連帯保証人付きの債権譲渡
連帯保証人は主債務者(債務者本人)と同等の支払責務があり、主債務者と同等の債務者である(保証債務)。

サービサー 債権管理回収業者
債権回収を業務とする事は弁護士、又は認定司法書士、又は国が認可した債権管理回収業者(サービサー)以外禁止されています。

架空請求
架空請求の電話やメールの中には債権を譲り受けたと名乗る業者から請求が来ることもあります。 債権管理回収業(サービサー)と債権譲渡は違います ので注意してください。
債権譲渡とは元の債権者、新たに債権を譲り受ける者の間で債権譲渡契約を締結し、元の債権者てある債権の譲渡人が債務者に対し譲渡した旨の通知する ことによって債権譲渡が法的に有効となります。 つまり債権を譲渡したという連絡がアダルトサイトや出会い系から来ていないのに、いきなり債権を譲り受けた業者か ら連絡が来て請求を受けても内容証明郵便によらない譲渡の通知は 「譲渡の件は知らないので払わない 」と債務者は言えます 。これは法的に有効です。

それでも払えの一点張りだと思いますが、 「債権譲渡を内容証明郵便で送って来たら払う 」と言い続けましょう。 この時に住所や名前を教えろと言うと思います が、 「自分で調べて送ってこい 」って言いましょう。
債務者への通知は通常、内容証明郵便で行われます。 差出人及び受取人の住所、氏名、法人の場合は所在地、法人名、代表者名を記載し、文書の内容 が証明できることと確定日付が明確であることが必要です。
悪徳業者は元の債権者とつるんでいるか、同一業者の場合が多く、元の債権者も違法行為を働いているので住所などの所在地が知られる内容証明郵便は出せません。 彼らは何も出来ないので払ったら送るとか先に半分払ったら送るとか言ってきますが、絶対に譲らないでください。 彼らはただお金が欲しいだけですから払っ たらそこで音信不通になりますよ。
(原文・架空請求110番より)

2011年2月11日金曜日

債務名義とは

債務名義
債務名義とは、強制執行によって実現されることが予定される請求権の存在・範囲・債権者・債務者を表示した公の文書のことです。 強制執行を行うには、この債務名義が必要です。
(参考: 裁判所の裁判手続き民事事件から)

債務名義の例としては以下のものがあります。

確定判決 - 「100万円を支払え。」または「○○の建物を明け渡せ。」などと命じている判決で上級の裁判所によって取り消される余地のなくなった判決を言います。

仮執行宣言付判決 - 仮執行の宣言(「この判決は仮に執行することができる。」などという判決主文)が付された給付判決は確定しなくても執行することができます。

和解調書・調停調書

仮執行宣言付支払督促

強制執行の種類
強制執行は、金銭の支払いを目的とする債権について金銭執行と、金支払いを目的としない請求権にいての非金銭執行とに分けられます。

金銭執行は、執行機関 が債務者の財産を差し押さえてその処分を制限し、これを換価してその代金を債権者に交付あるいは配当し、その満足を図る手続きです。 すなわち、金銭執行の 手続きは、差押、換価(取立て)満足の三つの段階を経て行われます。
・ 動産執行
・ 不動産執行
・ 給与差押
・ 預金差押

これに対し動産、不動産等の物の引渡しを目的とする請求権の執行等は、非金銭執行と言 われています。

公正証書
公正証書もこの債務名義としての効力があります。公正証書は、公証人が、契約書や遺言などを当事者から聞き、それをもとに作成した書類をいいます。公正証書として作成された書類は公に証明された書類として強い効力があります。

たとえば、離婚の際に取り決めた「慰謝料」や「養育費」に関する約束事を、キチンと履行てくれていれば、「強制執行」なんて言葉は関係ないのですが、「慰謝料」「養育費」などを分割で支払うこととしている場合、滞納と言うことがよくあります。

約束されている慰謝料や養育費の滞納が続いた場合、どうすればよいのか!

離婚の際に作成した公正証書に「強制執行認諾条項」が記載されていれば、その公正証書を基にして、強制執行を滞納している夫(妻)に対してかけることが出来ます。

離婚協議書のみ作成し、公正証書にしていない場合には、直ちにこの「強制執行」を申し立てることは出来ません。また、公正証書を作成していても、「強制執行認諾文言」が記載されていなければ、直ちに申し立てることは出来ません。

2011年2月6日日曜日

債務整理とは

債務整理
債務整理とは、法律の力を借りて、多重債務を含めた借金を解決することを言います。

借りたお金を返すことは当たり前のことですが、借金を返すためにまた新たに借金をすることは、決して問題解決にはなりません。 最悪の場合には、法的に借金を整理することで、そのような状況を打破し、安心、平穏な生活を手に入れることが誰でも可能なのです。

債務整理の種類
債務整理には任意整理特定調停自己破産個人(民事)再生の4つの種類が有り、 多重債務者の条件によって選択が異なります。

任意整理とは
弁護士や司法書士が債務者の代理人として、消費者金融やクレジット会社などと交渉し、借金の額や月々の返済額、返済期間など新たに取り決めて和解する債務の整理です。

任意整理を行うと、利息制限法に基づく再計算が行われます。
すると、通常債権額が減少したり、過払い金が生じたりします。 その結果、月々の返済額を少なくしたり、払い過ぎていたお金を取り戻せたりするのです。

和解ができた後は、その条件に基づいて、毎月返済していきます。返済期間は、通常3~5年くらいになります。

特定調停とは
簡単に言うと裁判所を利用した任意整理です。
任意整理は弁護士・司法書士が直接各債権者と交渉を行いますが、特定調停は調停委員が債権者と債務者の間に入って調停案を作成していくという制度です。

取引履歴の請求や利息制限法による引き直しなどもしてもらえます。
調停が成立すると調停調書が作成されますが、これは確定判決と同じ効力が認められています。

したがって、調停成立後に支払いができなくなると債権者は訴訟を提起することなく、直ちに給料の差押え等の強制執行手続ができますので、延滞をしないように気をつけないといけません。

自己破産とは
原則として破産の決定を受けた時点での自分の財産(生活するのに必要なものを除く)を失う代わりに、すべての債務が免除され、破産宣告以後の収入や新たに得た財産を債務の弁済に当てることなく、自由に使うことによって経済的な更生を図っていこうという制度になります。

自己破産のデメリット
* 破産者名簿への記載や官報への掲載がされます。
* マイホームは手放さなくてはなりません。 マイカーはその価値によります。
* 精神的に自己破産者だという負い目に悩まされることがあります。
* 5年~10年間は信用情報機関(ブラックリスト)への登録がされます。  その間ローンを組んだり、お金を借りることはできません。 また、クレジットカードも作れません。

個人再生とは
個人再生(個人版民事再生)とは、裁判所に認められた再生計画に基づいて一定の借金を免除してもらう方法です。

通常の民事再生は手続も煩雑で、個人が利用するのは難しい手続でした。 そこで、法律が改正され、「個人再生手続」が取れるようになったのです。 個人再生手続は、債権者の同意が必要かどうかで手続の仕方が異なります。

個人再生手続きの3種類
 1) 小規模個人再生
 2) 給与所得者等再生
 3) 住宅ローン特則

小規模個人再生手続
公務員・サラリーマン・自営業者などが利用できる(債権者の消極的同意が必要)。

給与所得者等再生(サラリーマン等)
定期収入を得ることができて、しかも収入変動の幅が小さい人が利用できる(サラリーマン・公務員など。債権者の同意は不要)。

住宅ローン特則
「住宅ローン特則」を利用すれば、住宅ローンの返済方法を見直して、マイホームを手放さずに借金整理ができます。

個人再生は、3年間で完済をしなくてはならず、適用も厳しい
個人再生手続は最低限支払うべき金額が決まっています。
返済金額は本人の居住地や扶養家族の有無、年収等により細かく分別されます。 またもしも個 人再生ではなく破産手続をした場合に、各債権者に配当される財産価値=精算価値よりも多い金額を必ず支払わなくてはなりません。

裁判所で認可された金額を3年間で返済をしていきますが、支払途中で返済金額を変更したり、中止する事は原則できません。 本人の離職や病気といった止むを 得ない理由に限り支払が免責される場合がありますが、適用を受けるためにはそれまでに一定額の返済をしていることが前提となります。

住宅ローンが減額されることはありません!
個人再生手続をとったからといって、住宅ローンが減額されるということはありません。 あくまでも住宅ローンの支払は別途行った上で、他の債務を圧縮していくという手続です。

2011年2月5日土曜日

債権回収とは

債権とは
ある人が、別のある人にに対してお金の支払いなどの特定の要求をできる権利をいいます。  そして、その債権を持つ人を債権者、債権者によって要求を受ける人を債務者といいます。
 
債権回収
債権回収とは、不良債権の回収を代行することです。
従来は弁護士にだけ認められていた業務であるが、現在では認可を得て民間の債権回収業者(サービサー)も行うことができることになりました。

簡単にいうと、"お金を貸したけど、返してもらえない" 場合に、取り立てる為に法的手続きを利用することです。

債権放棄
債権・債務関係が契約によって生じたものであるときは、債権者は一定の手続きを取ることによって、その契約を解除することができる。

不良債権
返済の見込みのない借金など、焦げ付いた債権のことを不良債権と言う。

債権回収会社リスト(法務省のサイトから)

2011年2月3日木曜日

債権者と債務者

債権者とは
簡単に言えば、お金を貸している人、売掛金を持っている人です。
お金などを貸したので返して貰える権利、売掛金の回収の権利を持った人のことです。

取引先の会社が破産した・倒産したなどの理由で、回収すべきお金が貰えない場合に債権者になる場合も有ります。

債権とは誰かに対してお金等を返済してもらうことが出来る権利のことです。

債権は売買されることが有ります;
債権は一種の金融商品です。 債権は売買されることが有ります。
例えばA社からお金を借りていたのにいつのまにかA社がなんらかの理由により債権をB社に売却された場合には、お金の返済はA社に対してではなくB社に対して行うことになります。

債務者とは

簡単にいうと、お金を借りている人のことです。

債務とは
借金した人が貸した側に対して生じた返済の義務のことを指します。 またはその借金そのもののことです。

多重債務者とは
複数の金融業者からの借り入れをしている債務者。 一般的には本人の返済能力を超えて借り入れをしている債務者を指します

2011年1月31日月曜日

最高価買受申出人とは

最高価買受申出人
最高価買受申出人とは落札者のことです。

最高価買受申出人とは、期間入札の開札期日において、適法な入札をした者の中で最も高額な入札金額の申出をし、執行官から最高価買受申出人と定められた者 のことです。

また、買受申出人とは、一定期間買受可能価額以上による定額販売方式を実施する特別売却において、売却実施期間中に最初に適法な買受けの申出 をし、執行官から買受申出人と定められた者のことです。

最高価買受申出人に対する売却許可決定

落札した後に "執行抗告" が競売不動産の所有者等から出されると売却許可決定は確定されず、次の手続きに進むのに1ヵ月~半年とかかってしまう場合があります(現在では殆んど却下されていますが)。

執行抗告は売却決定公告後1週間以内に行わなければならなくなっていますので、1週間経てば売却許可決定の確定となり、約3~4週間後くらいに地方裁判所より代金納付通知書が送られてきます。

2011年1月28日金曜日

債権譲渡通知

債権譲渡通知
債権譲渡 - 民法466条 ~ 473条
債権の内容を変えないで、債権者だけを変更する契約。
債権は、法令で譲渡が禁止されている場合などを除き、原則として譲渡できる。 ただし、債務者への通知または債務者の承諾がないと債権譲渡を債務者に対抗できず、その通知または承諾に確定日付がないと、債務者以外の第三者に対抗できない。

民法466条 - 債権譲渡
1項
債権は、譲り渡すことができる。ただし、その性質がこれを許さないときは、この限りでない。
2項

前項の規定は、当事者が反対の意思を表示した場合には、適用しない。ただし、その意思表示は、善意の第三者に対抗することができない。

指名債権の譲渡の対抗要件
債権譲渡は、債権の譲渡人(債権者)と譲受人との間の契約によってなされますが、それだけでは譲受人は債務者から支払いを受けることができません。 譲渡人(元の債権者)から債務者に対する債権を譲り渡したことの通知(または、債務者からの譲渡人・譲受人いずれかに対する承諾)があってはじめて、 債務者に支払うよう主張できます。 この通知は、内容証明など確定日付のある証書により行う必要があります。

民法467条 - 債権譲渡通知書
1項
指名債権の譲渡は、譲渡人が債務者に通知をし、又は債務者が承諾をしなければ、債務者その他の第三者に対抗することができない。
2項
前項の通知又は承諾は、確定日付のある証書によってしなければ、債務者以外の第三者に対抗することができない。

参考 - 法庫 第3編・債権

Aという債権回収会社から、Bという債権回収会社に債権が譲渡された際には、必ず内容証明郵便で、譲渡された旨の知らせが届きます。

そして、このときに返済内容の変更等の交渉が行われることが多いのです。

2011年1月27日木曜日

催告書・催告状

督促状と催告書の違いとは
督促状とは、 強い意味を持った 支払い・返済の請求書。 催告書(催告状)とは、強い意味を持った「支払いの通知書・返済の通知書」と考えられます。

督促状は、返済または支払を納期限までに納付していない場合、まず、納期限後に債権者から督促状を送付し納付を促します。

督促状を送付しても支払が行われない場合には、債権者より催告書を送付したり、ご自宅やお勤め先などへのお電話や直接訪問で催告をして、 早期にお支払いしていただくようお願いをします。 これ以降納付がない場合は、預金や給与などの財産調査をし、財産が判明した場合は差押な どの滞納処分が行われることがあります。

督促状は出さないと差押などの強制執行ができないけれども催告書以降は督促状さえ出していれば強制執行が出来ます。 督促状を出すのは法律に 基づいた義務的行為であるのに対し、催告書は債権者のお支払いを促す善意とでも解釈をしてください。

2011年1月22日土曜日

売却基準価額の再評価

競売における売却基準価額の再評価

不動産競売制度において、入札が無かった物件の場合、開札日の翌日から1ヶ月間「特別売却 」の対象となります。

特別売却という制度を簡単に 説明しますと「早いモノ勝ち」で、最初に買い受けを希望した人が、最低落札価格で購入することができます。

それでも残った競売物件は、再評価して(つまり最低落札価格の値下げ)、再度競売にかかることになります。

権利関係がややこしく、自分のものにするのに手間取るものや、不動産として利用価値がないものなどがほとんどで、価格を下げたからといって 売れるわけではなく、いつまでも残っているのが現状です。


また、物件の評価額を算出した不動産鑑定士の算出ミスなどでも大きく左右されてしまうことが有ります。 地元のほとんどの不動産業者および地元の土地家屋調査士
たちの評価額が600万円という数字に対して、裁判所が連れてきた鑑定士は950万円という評価額を出してしまいました。

一般的に1.2倍~1.5倍の額辺りが入札額となりますので、1,140万円~1,425万円辺りが落札価格と予想されます。 しかし、地元のほとんどの不動産業者は720万円~900万円の価値しかないと考えていました。 

結果、その物件に入札をした人たちがまったく現れず、特別売却になってしまいました。 しかし、その特別売却にも誰も希望者が現れず、再評価となってしまいました。

この物件、昼間に観ただけでは本当の状況が解らないのです。
この物件から大通りに向かって約3メートル幅の道路が約30メートルはしっています。 ところが、これが私道なのです。 夜になるとこの私道に近隣の車が停まってしまうのです。

そうなると、この物件から大通りに車で出るには、物件と平行にはしっている公道(幅約2メトール強)をバックで出ていかなければならないのです。 その道は緩やかなカーブを左右に描いているので夜にはけっこう大変な作業なのです。

地元の不動産業者たちはこの状況を知っていたのと、他の町からやって来た不動産の評価人との認識の違いが引き起こしてしまった問題でした。

この物件を任意売却で1,200万円で提示していた私たちは、債権者によって安過ぎると任意売却による買戻しを否決されてしまいました。

2011年1月19日水曜日

任売とは

任売
任売とは、住宅ローンなどの借入金の返済いが困難になった場合、債務者(所有者)と抵当権者(債権者)の間に仲介者が入り、抵当に差し出している不動産を競売ではなく 一般の不動産売買のように所有者・債権者・買主の納得のいく価格でお取引を成立させることをいいます。

不動産ローンの返済が或る一定期間滞った場合、金融機関等の抵当権者は、抵当権に従って、所有者の不動産を競売にかけ、現金化して回収しようと します。

競売ですと、いくらで落札されるかは開札日までわかりませんし、また落札価格が市場価格より2~3割低い価格になることもりますし、費用がかかって まいりますので債権者側としても任売での処理を好みます。 そこで任売業者さんとか弁護士先生などが仲介者となって、債務者(所有者)と債権者の間に入り、 なるべく両者に満足のいくような価格で契約をまとめることが任売の特徴です。

任売の落とし穴、任売専門業者さんであれば普通はかかりませんが、中には色々な名目を使って相談料を取る会社さんも有ります。 料金を 取ることは違法行為ではございませんが、それが不動産業者の場合ですと違法行為となります。 任売業者が行う任売の料金は債権者側からお支払いを受けま す。 したがって、顧問料とか相談料とか○○料などは払う必要はありません。 もし、不動産業者からそのような項目の料金の請求を受けたら業者を変えましょう。

また、任売の処理が完了し、清算という時点で色々な名目を付けて引越代から差し引いてくる業者さんが居ます。
例えば、引越代として100万円、その中から残置物処理費用40万円、事務処理費用10万円、物件販売諸経費20万円、交通費10万円、差し引き20万円が 立ち退き費用という形で支払われたケースが有ります。
上記のケースは引越代100万円とうたっていた不動産業者さんで実際に取られていた手法です。 中には1万円とか5千円しかもらえなかったという相談も寄せられて おります。

また、20,000円とか30,000円の相談料で滞納した住宅ローンの返済に付いてのコンサルタントを行っている方々がおります。 ですが、それらカウンセラーさんから得た 回答 が『住宅ローンを6ヵ月滞納してください。 6ヵ月滞納しないと任意売却できません。 そして6ヵ月後にまたお起こしください』といわれたそうです。 たったこの アドバイスを 受けるのに30,000円とは驚きです。 任売業者さんであればこのレベルの回答は無料です。

不動産ローンの返済に行き詰まってしまわれて、競売の危機に立たされている方々に取っては、例え1円でも大切なお金です。 支払わなくとも良い お金は支払うのは止めましょう。 任売をして人生をリセット・リスタートするためにも1円でも多くのお金を蓄えることにすべきでしょう。

任売と競売の比較 - なんと言っても債権者・抵当権者との間に入ってくれる任売業者という代理人・エイジェントが入るう事が上がられるの でないでしょうか。 そしてこの代理人が任売後に残るローンの残金支払いの交渉をしてくれるということです。 競売の場合は残る借金の返済額は一方的に 債権者より月々いくらいくらでお願いしますと押しつけられます。 それが、例えば月々1万円(任売の場合)か月々7万円(競売の場売)かの大きな違いが有ります。

任売後・競売後 - 任売の終了後、たぶん3ヵ月後とか6ヵ月後にかけてサービサーなどより色々な書類が送付されてくると思います。 そのような 時に、任意売却を選択し業者さんを利用しているば気軽に無料でアドバイスが受けられると思います。 競売で処理されてしまった場合、誰に相談 すればよいので しょう。

任意売却を任売と略すことも有るのですが、ときどき任買と変換されてしまって、それをそのまま表記しているホームページもあるようですが・・、任売が正解です。

2011年1月16日日曜日

根抵当権とは

根抵当権
民法第398条2第1項
根抵当権とは、普通の抵当権が特定の債権を担保するのに対して、設定行為により定められた一定の範囲に属した不特定債権を極度額の限度で担保する抵当権の一種です。

民法第398条2第2項
前項の規定による抵当権(以下「根抵当権」という。)の担保すべき不特定の債権の範囲は、債務者との特定の継続的取引契約によって生ずるものその他債務者との一定の種類の取引によって生ずるものに限定して、定めなければならない。

民法第398条2第3項
特定の原因に基づいて債務者との間に継続して生ずる債権又は手形上の請求権は、前項の規定にかかわらず、根抵当権の担保すべき債権とすることができます。

根抵当とは、例えば、萬田金融が灰原さんに100万円を貸し、萬田金融がその債権を担保するために灰原さんの土地に抵当権を設定したとします。 その後、灰原さんが、萬田金融に100万円を返済すれば、附従性により抵当権は消滅します。

しかし、根抵当権の場合では100万円を返済したとしても抵当権は消滅しませんし、被担保債権が債権譲渡されたとしても、抵当権は移転しません。

なぜ、このような根抵当権という制度があるのかというと、企業間取引など頻繁に借入や返済が繰り返されるような場合に通常の抵当権では不都合が生じるからです。

抵当権というのは、あくまでも特定の債権を担保するためのものですから、取引があるたびに、その特定の債権を担保するために抵当権を新たに設定しなければなりません。

また、返済があれば、その抵当権は附従性により消滅しますので、抵当権を抹消しなければなりません。 要するに、継続的に頻繁に取引がなされる場合、通常の抵当権であれば、その都度抵当権を設定したり抹消したりしなければならず非常に煩雑になってしまうのです。

そこで、一定の事由が生じ元本が確定するまでは、その間になされる一定の範囲に属する債権については極度額までまとめて根抵当権によって担保できるようにしたのです。

根抵当権を設定することによって、債権が発生する都度、抵当権を設定しなければならないという手間が省けるのです。

担保するとは
債務者がその債務を履行しない場合、債権者に提供されて債権の弁済を確保する手段となるもの。 人的担保と物的担保とがある。 「土地を担保に借金する」 - (広辞苑から)

お金を借りた人が、その借金の返済を怠った場合を想定して、その借金に見合う動産とか不動産を借金のカタに取ることです。

2011年1月15日土曜日

内覧 または 内見

物件の内覧
物件の内見

購入しよう、または賃貸しようとしている不動産物件の中を見ることです。

内覧会完成した建物やお部屋の仕上りを購入者がその目で確かめる目的で開かれる会のことです。

それ以前は、図面やモデルルームなどでしか見る ことができなかったお部屋を、お引渡し前にチェックできる機会です。

図面等により気に入った物件は必ず内見し、いろいろとチェックすること。
実物と間取り図とは必ずしも一致しないことがあります。 図面だけで 契約してしまうと入居してから後悔することになりますので内見する時は不動産会社に手配を依頼しましょう。 案内してくれたり、現地にカギを 隠してあったり、カギを貸してくれたりといろいろな形で内見・内覧ができます。

不動産物件の売り主さんの多くが購入希望者のみで物件の内覧をすることを 極端に嫌いますので仲介業者さんと同行をした方が良いでしょう。

2011年1月13日木曜日

無担保債権とは

無担保債権
債権
債権とは、ある人が、別のある人にに対してお金の支払いなどの特定の要求をできる権利をいいます。 債権を持つ人を債権者、債権によって要求を 受ける人を債務者といいます。

債権は目に見えない"権利"を表す言葉ですが、債権を目に見えるようにしたのが債券です。

担保
担保とは、債務者(お金を借りる人)がお金を返せなくなった時に備えて債権者(お金を貸す人)が 不動産や抵当権を保証として取る事を言ったりします。

お金を貸したのはよいけれど、貸したお金が戻ってこないと困る。  だからもしもの時の保険として不動産などを押さえておくのです。

ちなみに抵当権とは、不動産などを取り上げずに、債権の担保として他の債権者よりも 優先的に返済を受ける権利です。



不動産や抵当権などを担保として取る事を "物的担保" と言います。 保証人や連帯保証人などを "人的担保" などといいます。
無担保債権とは、読んで字の如し ”担保が取られていな無い借金” のことです。
競売後、任意売却後の残債務は無担保債権となるので、返済をしないと「競売するゾ~!」という取立て文句は通用しなくなります。

従って、無担保債権と なってしまった借金は 借り手に開き直られたらお終いです。 実際、競売で家を失った人はその後の返済が著しく困難になる場合が多く、返済をしたくても出来ないことの方が多いよ うです。

また、 無担保債権となることを逆手にとって残債務の支払いから逃げることを勧めている任意売却の業者さんなども居るようです。 しかし、支払わなくても大丈夫だ と高を括っていて給料の差押えなどに合わないように。

無担保だから支払わなくても良いと居直って、半年後・1年後・2年後に突然給料差押えなどが来たらどうします? その辺のところを考えて任意売却を お願いする業者さんを選択すると良いと思います。

2011年1月9日日曜日

無剰余とは

無剰余

先ず、学術的な意味での "剰余" を説明します
剰余とは割り算で割った際に割り切れずに余った数字をさします。

会計学上的な意味での "剰余" とは:
一般に会計上の剰余金とは、「資本の部」の資本金以外のものをいい、これは「資本剰余金」と「利益剰余金」に区分される。

資本剰余金については、資本取引から生じた剰余金であり、「資本準備金」と「その他資本剰余金」とに分類される。また、利益剰余金については、利益を源泉とする剰余金であり、つまり利益の中から会社に留保したものであり(内部留保)、「利益準備金」と「その他利益剰余金」とに分類されます。

会社法上の剰余金は、資本金と法定資本準備金以外のものをいい、貸借対照表上において、「その他資本剰余金」と記されているものとなります。

金融界での余剰とは:
担保の価値よりも債務額が少ない場合。 不動産を売却すれば融資を受けているローン・借金などを全額返せるような場合を指します。

不動産の時価より下回る抵当権がついている場合、残りの時価の部分はまだ担保余力があるとみなされる。

無剰余とは - 不動産を売却しても借金または融資したお金の全額を回収できない状態をさします。

無剰余公売禁止:
国税徴収法第48条第2項・無益な差押の禁止
無益な差押の禁止とは、財産を差し押える場合、財産の価額と差押に係る徴収金に優先する他の債権の合計額を勘案し、差押にかかる徴収金に配当が見込まれない場合には、その財産を差し押えてはならないという規定です。

民亊執行法第63条 - 無剰余取消
裁判所は評価人が算出した評価額に基づき「売却基準価額」を決定します。
そして買受けは売却基準価額から10分の2を控除した額である「買受可能価額」から申し出ることになります。  しかしその買受可能価額が手続費用及び優先債権(租税公課の滞納など)の見込額に満たないために申立債権者に配当がない(無剰余執行)おそれがある 場合には、競売手続を進めることができません(民事執行規則97条,民事執行法63条)。

したがってこの場合、以下のいずれかの方法をとらない限り競売 手続は取り消されます(無剰余取消し)。

2011年1月7日金曜日

申立債権者

申立債権者とは債権差押命令の申立て、競売の申し立てた債権者・抵当権者のことです。

参照 - 東京地方裁判所民事執行センター

申立債権者側からの競売の取下げ
競売の申立債権者は競売開始決定がされた後でも、売却が実施されて売却代金が納付されるまでは、いつでも申立てを取り下げることができます。

ただし、売却が実 施されて、執行官による最高価買受申出人の決定がされた後の取下げについては、原則として最高価買受申出人又は買受人及び次順位買受申出人の同意を必要と する。

したがいまして、競売を確実に取り下げるためには、申立債権者は、開札期日の前日までに執行裁判所に対し取下書を提出する必要があります。

買受人が代金を納付した後 は、申立ての取下げはできません。
競売の申立てを取り下げるためには、事件番号、当事者、目的不動産を記載し、申立てを取り下げる旨を明言した書面(取下書)を 執行裁判所受付窓口に提出することになります。

支払督促制度
内容証明郵便で返済を請求しても相手が応じてくれなかったり、反応がない場合には、裁判所の力を借りて相手に返済をするように請求する方法があります。 それが "支払督促" と呼ばれる制度です。

支払督促制度とは:
民事訴訟法第382条 - 支払督促制度とは、正式な裁判手続をしなくても、判決などと同じように裁判所から債務者に対して金銭などの支払を命じる督促状(支払督促)を送ってもらえる制度です。

この制度は、民事訴訟法382条で定められたもので、債権回収(お金を取り返す)の有効な手段です。 申立ては金銭債権の額に関わらず簡易裁判所で行います。

通常の裁判とは異なり、申立人債権者の申立書を受理した裁判所は、書面審査のみを行い、申立書に問題がなければ債務者(相手方)に支払督促を送ってくれますので、申立人債権者が裁判所に出頭しなくて済みます。 また、少額訴訟のような請求金額の制限はありません。

2011年1月6日木曜日

民事執行手続

民事執行手続
民事執行手続とは、お金を貸した人(債権者)の申立てによって裁判所がお金を返せない人(債務者)の財産を差し押えてお金に換え(換価)て、債権者に分配する(配当)などして債権者に債権を回収させる手続です。

民事執行手続には、強制執行手続担保権の実行手続などがあります。

強制執行手続と担保権の実行手続
強制執行手続

強制執行手続は、勝訴判決を得たり相手方との間で裁判上の和解が成立したにもかかわらず相手方がお金を支払ってくれなかったり、明渡しをしてくれなかったりする場合に判決などの債務名義を得た人(債権者)の申立てに基づいて相手方(債務者)に対する請求権を、裁判所が強制的に実現する手続です。


担保権の実行手続
担保権の実行手続は、債権者が債務者の財産について抵当権などの担保権を有しているときに、これを実行して当該財産から満足を得る手続です。

この場合,判決などの債務名義は不要であり担保権が登記されている登記簿謄本などが提出されれば、裁判所は手続を開始することとなります。

なお、担保権の実行手続も,強制執行手続と比較すると債務名義を必要とするか否かの違いはありますが、それ以外の手続はほぼ同じです。

(**)
債務名義
債務名義とは強制執行によって実現されることが予定される請求権の存在・範囲・債権者・債務者を表示した公の文書のことです。 強制執行を行うには、この債務名義が必要です。

債務名義の例としては以下のものがあります。
  1. 確定判決
    「100万円を支払え。」又は「○○の建物を明け渡せ。」などと命じている判決で上級の裁判所によって取り消される余地のなくなった判決を言います。
  2. 仮執行宣言付判決
    仮執行の宣言(「この判決は仮に執行することができる。」などという判決主文)が付された給付判決は確定しなくても執行することができます。
  3. 仮執行宣言付支払督促
  4. 和解調書・調停調書
参照 裁判所の民事執行手続